いつかの花火【企】
夏のはじまり
会社帰り。
いつものコンビニ。
「あ…。」
目に入ったのは花火。
もうそんな季節か…。
昔は毎年夏になると家族で花火をしていた。
だけど一人暮らしを初めてからは一人でやるのも寂しいので、していない。
友達もさすが29にもなるとみんな嫁に行ったり嫁をもらったりしていて暇ではないし。
私にもチャンスはたくさん?あったはずなのに今は彼と呼べる人もいない。
もちろん会社で素敵な出会いも望めない。
若くない…というだけで最近食事にも誘われなくなってきた。
社外でも、会社の近くのカフェや休日行く美術館にも出会いはない。
そろそろ見合いも考えなければ…と思いつつ、由緒ある実家でもなく見合いも難しい。
ま、一人って楽なんだけど…
(あ…線香花火…。)
花火を眺めていて線香花火を見つけた。
一番好きな花火。
昔は願い事が叶う、そう信じてた。
たぶんあの頃が一番キラキラしてたと思う。
好きな人もいて、楽しくて。
きっと、今とはかなり違うだろう…
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