いつかの花火【企】
「涙おそいっ。」
私の家の入口に何故か彼はいた。
しかもいつもより早い時間に。
「なんで…?」
「なんでって…雨だと屋上行けないじゃん?」
「それはそうなんだけど…。雨だから中止かと…。」
「え…それは寂しい。から顔だけ見に来た。」
「……。」
彼は飾り気なく答えた。
…若さの違い?なのかな?
私も寂しい気がしたけど…そんなにハッキリ言えないし。
突然のことに対応も出来ないでいた。
「涙?」
「あ…ごめん。どうぞ、あがって。」
「え?いいの?」
「え?せっかく来たんだからどうぞ?」
「じゃぁ…お邪魔します。」
「どーぞ。」
普通は男性なんて家には入れないんだけど…
せっかく来てくれたし。
気が付いたら彼を家へ案内していた…。