いつかの花火【企】
答え合わせ
公園を出るとなんだか不思議な気分だった。
風は気持ちいいし、星も綺麗。
なんだか彼に出逢った日に空気が似てる。
「涙?」
「え………?」
突然、後ろから懐かしい声がした。
いるはずがない。
家の前でもなく、コンビニの前でもない。
いつもの帰り道。
「ただいまー!」
振り向いた瞬間、ふわっと声の主に包まれる。
「君は………。」
「咲夜だってば。」
不服そうな顔。
うん、解る。
解ってる。
でも…なんで?
言葉にならない。
「…出張から帰ったら涙がいなくて…会えなくて…嫌われたと思ったけど…諦めきれなくて…。探した。」
そう言いながら彼は真っ直ぐ私を見る。
「涙…俺のこと嫌いになった?」
「………。」
「もう…会いたくない?会わない?」
「………。」
「涙…?え、泣いてる??」
質問攻めの彼を前に、気付いたら頬に雫が伝っていた。