いつかの花火【企】



「一人で悪かったわねーっだ!!」

マンションの屋上。
酔っ払いが一人。
花火は結局やってない。

…どうせなら気分よくやりたいので延期。


「別にひとりでもやればいいじゃん?」

「え…?!」

まさかと思って振り返るとさっきの青年?!
なんでここに…?!

「まさかストーカー?!」

「言うと思った…。違います。同じマンションなの。お姉さんちにも挨拶行ったけど?」

「………。」

引っ越し?
挨拶?

「覚えてない?」

「申し訳ない…。」

「ひどいなぁ。傷付いた。」

「…悪かったわね。」

ホントに覚えてないんだから仕方ないじゃない。
てか何故私が謝ってるんだ?

「ね、傷付いたからそれ一本ちょうだい。」

「それって…ビール?」

「そう。二本は飲み過ぎでしょ?」

「別にそんなことないわよ。まぁいいけど。」

そう言いながらビールを渡す。
いつも二本は飲むけど、なんとなく忘れてしまったのも悪いしね…。

でもいつだっけ…?
と、いうかこんな子このマンションに住んでた?



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