いつかの花火【企】
いつも咲夜が現れるのは突然で。
いつもびっくりする。
でも。
ちょっと嬉しい。
そんな自分が少し好き。
「間に合ったー!!!!!!」
慌ててマンションの階段を駆け上がり、私の家の前に着く。
ちょうど最後の花火が鮮やかに空を飾る頃。
手元の指輪が花火を移す。
あ……。
あの時と同じ……?
大丈夫。
咲夜は隣にいる。
景色が同じだけなのに不安になる。
そして最後の大きな花火が空に散り始めた。
「ねぇ、涙。」
「…な、なに?」
突然、真剣な咲夜。
大丈夫…だよね?
あの日の花火が心を打つ。
「あの…さ…。実はさ、最初にコンビニ前で声かけたの…わざとなんだ。」
「…え?」
「知ってて声かけたんだ。」
「…?」
急な話に頭が回らない。
どういうこと?
私のこと知ってたの???