いつかの花火【企】
「…いつから知ってたの?」
「…6年前の花火大会。涙、ここで見てたでしょ、花火。」
「………え。」
「あの時も見てた。」
「………う…そ…?」
「ホント。だから知ってたでしょ、サイズ。」
そう言いながら咲夜は指輪を指す。
確かにあの日、指輪を投げつけてそのまま。
次の日に一生懸命探したけど出てこなかった。
…それで諦めが着いたんだけど。
…咲夜が持ってたの?
どうして???
急な咲夜の告白に私の頭は付いていけない。
どうして?
なんで?
そればかり。
「まだもう一個あって。」
「…え?!」
「…涙、俺の部屋知りたがってたよね?」
「え?」
何度聞いても教えてくれなかった咲夜の部屋。
絶対何かあると思ってたけど………。
「…部屋ね、ここ。」
そう言って指差したのは私の部屋の隣。
「ここって…学生が住んでた……?…あ。」
そういえば、浪人生が昔、隣に越してきて挨拶に来たことがあった。
その後、特に会うこともなかったけど。
「思い出した?あの浪人生が俺。あの時、涙に恋したの。」
「…え?」
「だから涙に声かけたんだ。」
「………。」