いつかの花火【企】
「…………。」
急なネタばらしに言葉をなくす。
というか頭が回らない。
え?
え??
………えぇ?!
心が叫びっぱなし。
ドキドキが止まらない。
「涙…大丈夫…?ごめん、急にこんな話。」
咲夜が心配そうに顔を覗かせる。
私はずいぶんと無言で固まっていたらしい。
いつのまにか道には花火からの帰宅者がたくさん歩いている。
「…大丈夫。」
「そか…良かった。やっと言えた。」
クシャッと嬉しそうに笑う彼。
私の中は大嵐なんだけど………?
「あ、そうだ。もう一個だけ。怒らないで聞いてくれる?」
「まだあるの?!…しかも怒るって…なんなの?」
驚いて聞く私に戸惑いながら、咲夜はしつこく約束をさせた。
それから深呼吸をひとつ。
「あのね…実はさ…定期入れ落ちてなかったんだ……。」
「…え?」
「声かけたくてコソッと抜いてみました…!」
「………な?!」
「ごめんね?」
また笑顔。
私は何度この笑顔にごまかされるんだろう?
花火の出逢い。
君とならきっといつまでも…