いつかの花火【企】



日も暮れていつもの帰り道。
コンビニの前。
膨れっ面の青年が目に入る。

「涙おそーい。」

「…昼間の本気だったの?」

「当たり前だろ。ほら、涙のも買っといたから。早く帰ろ。」

彼はそう言いながらコンビニの袋を見せて先に進む。

どうして私なの……?

「るーいーっ?置いてくよー?」

私が悩んでいる間にずいぶん先へ進んだ彼が呼び掛ける。

「はいはい。今行くわ。」

そう言って私は慌てて追いかけた。



< 7 / 42 >

この作品をシェア

pagetop