キーホルダー
「何かさ、つーくんって……」
津奈はそれ以上何も言わなかった。
何か言いたげだったが、上手く言えなさそうな津奈を見て、聞くのをやめた。
「将希の友達だってさ。つーくん?はさ。」
津奈の真似をして、つーくんと呼んでみた。
「知ってる。自慢してたもん。」
「将希の友達なんて自慢になんねぇー。」
少し乱暴な言い方の美流だったが、これが素だ。
将希の前だと素でいられる。
一見大人しそうに見える美流だけど、実はそうでもない。
「美流ってさ、将希のことになると突っかかるよね。」
「なっ。ちっ違うよ。それは、あいつがバカだから。」
「何慌ててんの~?」
バカにしたように笑いながら、津奈は美流をからかった。