キーホルダー
「美流~将希と仲良いね。」
「そう?」
美流は素っ気なく答える。
瞬は、すぐにステージに戻っていった。
和太鼓の練習らしい。
「将希って和太鼓やってるとかっこよくない?」
彼女の名前は渚(なぎさ)。一応友達だが、美流はあまり好きじゃない。
「そう?あいつは何してもかっこよくないよ。」
内心かっこいいと思いつつ、素直になれなかった。
「美流なんか最近冷たくない?」
「別に…。」
「ほら~なんか怒ってる~。」
この時の美流は、総合だけでなく全てのことに対して投げやりだった。
渚が嫌いなわけじゃない。
だが、美流は誰も信じられなくなっていた。
唯一信じられるのは自分と、そして瞬だけだった。