キーホルダー
「美流~何かスクリーンつけるらしいよ。」
渚の声に軽く不機嫌になる。
スクリーンは演劇で映像を映すために使うらしい。
「おっ代理委員長~!また会ったなぁ~」
瞬の声に一瞬ドキッとする。
瞬はいつも、変なあだ名をつけて美流を呼ぶ。
「変なあだ名で呼ぶなよ。恋華先輩でしょ?」
「うっせ。お前先輩っぽくないし。てか何やってんの?そんなとこで。」
ステージから次々と和太鼓軍団が降りてくる。
美流は、2Fというにはちょっと大袈裟かもしれないが、よく試合の応援なんかをするような、狭くて、微妙な、場所にいる。
この場所からだと、ステージで練習している瞬の姿がよく見える。
「スクリーン作ってるん…」
まだ言い終わらないうちに、瞬が叫ぶ。
「俺もやる!」
そう言って、美流のいる場所に走ってきた。