傷恋(キズコイ)

友情!?恋心!?

気の合う友達に大好きな先生の講義で、私の大学生活は充実していた。

それに、塾に通っていた時より先生がよく声をかけてくれる。
喩え、部屋の整理のためだとしても、先生の傍にいれる時間が増えるのは歓迎するところだった。

ただ……。
私は先生と二人きりがよかったんだけど、先生は結衣にも声をかける。

結衣が隣にいるんだから声をかけない方が不審に思われるからかもしれないけど…。

先生は結衣に興味がある訳ではないとキッパリ言った。
なのに、結衣と関わりたがるのは征也さんの事があるから?

私って心の狭い女だなぁ。

こうなって初めて、自分の想い人が奪われるんじゃないかって不安がわかるようになった。

結衣が征也さんにベタ惚れと知っていなければ、私は結衣を敵視していたかもしれない。

先生も結衣も私がこんな想いを抱えてるなんて夢にも思ってないだろな。

結衣は私が先生を好きだって知ってるんだし、心配する必要ないか。



そう思っていた私は、先生が結衣に執着している理由を目の当たりにする事になった……。
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