傷恋(キズコイ)
背もたれと僕の身体に挟まれて身動き出来ない彼女を思うままに触れる。
時折、唇が開くがやはり何も聞こえてはこない。
早く泣けばいいのに。
早く嫌だと叫べばいいのに。
そのどちらもしない彼女に次第に苛立ちがつのる。
腹部で留まっているワンピースをグッと掴むと、彼女の耳に囁いた。
「脱いでくれますか?…身につけているもの全て」
彼女が動けるよう身体を離すと静かに立ち上がった。
足元に落ちたワンピースを見つめていた彼女は、潔く下着に手をかけ脱ぎ捨てた。
「これでいい?」
向けられた視線はやはり真っ直ぐで揺らぎがない。
…不愉快だ。
手首を掴み勢いよく引き寄せると小さな悲鳴を上げて僕の上に落ちてくる。
「僕にこんな姿を曝して恥ずかしくないんですか?」
「……恥ずかしいよ…。今すぐにでも逃げ出したいぐらい…」
「なら、逃げればいい」
掴んでいた手首を離し、そう促しても彼女が離れる事はなかった。
「どうしたんです?今、君は自由ですよ」
時折、唇が開くがやはり何も聞こえてはこない。
早く泣けばいいのに。
早く嫌だと叫べばいいのに。
そのどちらもしない彼女に次第に苛立ちがつのる。
腹部で留まっているワンピースをグッと掴むと、彼女の耳に囁いた。
「脱いでくれますか?…身につけているもの全て」
彼女が動けるよう身体を離すと静かに立ち上がった。
足元に落ちたワンピースを見つめていた彼女は、潔く下着に手をかけ脱ぎ捨てた。
「これでいい?」
向けられた視線はやはり真っ直ぐで揺らぎがない。
…不愉快だ。
手首を掴み勢いよく引き寄せると小さな悲鳴を上げて僕の上に落ちてくる。
「僕にこんな姿を曝して恥ずかしくないんですか?」
「……恥ずかしいよ…。今すぐにでも逃げ出したいぐらい…」
「なら、逃げればいい」
掴んでいた手首を離し、そう促しても彼女が離れる事はなかった。
「どうしたんです?今、君は自由ですよ」