傷恋(キズコイ)

前進!?それとも!?

しばらく休講にした先生の元に私は通っていた。

もちろん、先生以外の講義はちゃんと受けてから。

結衣も次の週から登校して、いつも通りの明るさに私はホッとしている。

私は結衣にあの時の事を謝った。

傍にいたのに助けられなくてごめん、と。

結衣はまさか私がいたなんて思ってもなかったようですごく驚いてたけど、私が先生を好きな事を知っていたから責めたりしなかった。

結衣と征也さんの仲は全く変わらず、仲良く暮らしてるようだ。

あんな事があったのに、お互いを信じてる結衣と征也さんが羨ましくもあり、私もいつかは先生とそうなれれば…なんて妄想しちゃってる。






先生の家に着くと、バッグから合鍵を出してドアを開ける。

この合鍵を預かるのは期間限定で、正式に私のものになった訳じゃない。

顔を腫らした先生がいちいち玄関を開けるのを嫌がった結果だ。

「こんにちはー」

返事もせずに机でパソコンを叩いてる先生を後ろから覗き込む。

「また1日中パソコン触ってたの?」

「1日中じゃありません。朝から君が来るまでです」

何だかなー。
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