傷恋(キズコイ)
「じゃあ、頭から爪先まで研究して。先生には全部見せるから」

私がそう言うと、なぜか先生の頬が赤く染まった。

「君は…大胆な人ですね」

何か変な事言ったかな?

首を傾げる私に先生が優しく触れる。

「君らしい発言ではありますが」

もしや、誤解を招くような事を言ったんだろうか…。

「えーと…何か見解の相違がありそうな…」

「さっきの言葉は僕を誘ったんじゃないんですか?」

イタズラっぽく微笑む先生が私の服に手をかける。

「え!?先生!?」

慌てふためく私の耳元に唇を寄せて囁いた。

「全部見せてくれるんでしょう?」

あ!?
先生はそーゆー意味に取ったんだ。

「いや、あのッ!違ッ!」

「冗談ですよ。……結果を考えずに発言する場合あり…と」

今にもメモを取りそうな口調で呟く先生にため息が洩れた。

「研究熱心だね」

「ええ。とても興味深いです」

こうなったら、とことん研究してもらおうじゃないの!

それで、先生が私を好きになってくれたら最高。

いつかキスのその先までしたくなるように想われたい。

その時には包み隠さず全部見せるからね!
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