最先端クローン技術




そんなある日のことだった。


いつもの様に扉をノックしようとした腕を、奏が掴み静止させた。



十秒に満たない沈黙。


奏はここ最近私に話しかけてこなかった。


元々あまり関係の深くない私達。だから気に止めていなかった。


だから奏のこの行動に動揺してしまう。


「病室から出たら声かけろ。」


相変わらずの上から目線。

だけどいつになく真剣な目に、私は数度頷いた。


奏が離れて行くのを確認して、私はノックの後、扉を開けた。


何時もの三倍増に明るい叶夢が、顔を輝かせ私を見た。


物言いたいのをグッとこらえ、私をみる。


< 19 / 28 >

この作品をシェア

pagetop