最先端クローン技術
そんなある日のことだった。
いつもの様に扉をノックしようとした腕を、奏が掴み静止させた。
十秒に満たない沈黙。
奏はここ最近私に話しかけてこなかった。
元々あまり関係の深くない私達。だから気に止めていなかった。
だから奏のこの行動に動揺してしまう。
「病室から出たら声かけろ。」
相変わらずの上から目線。
だけどいつになく真剣な目に、私は数度頷いた。
奏が離れて行くのを確認して、私はノックの後、扉を開けた。
何時もの三倍増に明るい叶夢が、顔を輝かせ私を見た。
物言いたいのをグッとこらえ、私をみる。