先生のお望みのまま
「杉下。」
「は、はひ。」
あまりに呆然として、急に呼ばれた名前にびっくりして、思わず立ち上がった。
「出席だな。」
ジロリと睨むような視線を向けられ、硬直する。
ゴクセンは次々とクラスメイトの名前を読みあげる。
座り損ねた私を後ろの席の杏華ちゃんが引っ張って座らせてくれる。
「あ、あ~杏華ちゃん。ありがと。」
まだ呆然と虚脱してる私に、杏華ちゃんはにやにやと笑いながら呟いた。
「まずいじゃん。希実。」