ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~

├電脳オタクの仮説


 玲Side
***************



芹霞が僕の指示通りに、桐夏の同級生に一斉にメールを出して10分。

応答があったのは送信の1割にも満たなかった。


予想通り。


「え!? これだけッ!!??」


弥生ちゃんも受信した、芹霞のメール内容に不備はない。

勿論、同級生の全員が全員…興味がある事柄でもないだろう。


それは判っているけれど…

反応が悪すぎるのは、ある意味、僕の想像通りだと言えた。


僕にはひっかかっていることがある。


ゲーム愛好者の所在地はあの地図の『現在地』として、携帯GPS機能で判るとしても、何故に人間の意識も携帯をも持たない血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)が、獲物を探すことが出来るのか。


そしてこの携帯ゲームが、何故に血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)を赤点として特定出来るのか。



そして――

血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)は何か。



先刻、ある仮説をたてたんだ。



ゲームの途中で割り込んできた血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)。


最早、ゲームと無関係だとは言い切れまい。


もしもこのゲームが、血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)と関係があるのなら。


GPS機能を持つ携帯ゲームの愛好少女が、

血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)化したのではないかという仮説だ。


血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)は携帯を持っていないが、少女達は、その変貌時まで、確かにある程度ゲームを進行させていたのだろう。


血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)化する携帯ゲーム愛好者は、ゲーム登録という形で、情報を一括管理する"メインサーバー"に記録されているはずだ。


そして何らかの起因で、血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)化するということもメインサーバーは記録しており、それを読み出す形で、先刻の赤点を表示させる地図が表示されたのではないか、と。
< 175 / 974 >

この作品をシェア

pagetop