ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
├お姫様の悲鳴
******************
――悪夢だ。
絶対今、あたしは…
最低最悪な夢の中に居る。
現実にはありえない。
ありえるはずがない。
"食"の本能に目をぎらつかせ、ありえない位置に体の一部が曲がっても、裂けた口をさらに広げて、食らいつこうとしてくるソレ。
その顔には、人間としての生気がないに関わらず、凶々しい"何か"に取り憑かれ…活き活きとした動きを見せるソレ。
玲くんに攻撃されて、見るに耐えない顔や身体になっても、生命を司る処を吹き飛ばさないと、命の終焉を迎えないソレ。
まさしくソレは――
あたしの嫌いな…ホラー&スプラッターの代表格、"ゾンビ"としかいい様がなかった。
そのゾンビが、後から後から家に入ってきて、あたし達に襲い掛かってくる。
そして更に――
共食いを始めた。
人の原型を僅かに残す得体の知れぬ存在が、その僅かな『人間』を食らい合う、真紅色の凄惨な光景。
漂う悪臭。
聞こえる咀嚼音。
ああ…地獄だ。
――悪夢だ。
絶対今、あたしは…
最低最悪な夢の中に居る。
現実にはありえない。
ありえるはずがない。
"食"の本能に目をぎらつかせ、ありえない位置に体の一部が曲がっても、裂けた口をさらに広げて、食らいつこうとしてくるソレ。
その顔には、人間としての生気がないに関わらず、凶々しい"何か"に取り憑かれ…活き活きとした動きを見せるソレ。
玲くんに攻撃されて、見るに耐えない顔や身体になっても、生命を司る処を吹き飛ばさないと、命の終焉を迎えないソレ。
まさしくソレは――
あたしの嫌いな…ホラー&スプラッターの代表格、"ゾンビ"としかいい様がなかった。
そのゾンビが、後から後から家に入ってきて、あたし達に襲い掛かってくる。
そして更に――
共食いを始めた。
人の原型を僅かに残す得体の知れぬ存在が、その僅かな『人間』を食らい合う、真紅色の凄惨な光景。
漂う悪臭。
聞こえる咀嚼音。
ああ…地獄だ。