ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
 


「違う、そんな問題じゃないッ!!!」


判るだろう、玲。


お前だって『男』なら。



「待っていられない。俺が、俺が!!!」


「"坊が懲りずに暴走を始めそうになったら、こう告げよ"」


びくっ。


玲の…口調に、自ずと体が制された。



"坊"


その口調は…。



「櫂、緋狭さん…いや、紅皇からの電話だった」


玲は微笑しながら、切ったばかりの電話を顎で促した。



「彼女はこう言ったよ。


"道化師は芹霞に対し"男"にはなりえない。

それ故に芹霞の貞操は守られる"」



「何故だ!!!?

何でそう言い切れる!!!?」



俺は思わず玲に食いついた。



「"肉体的な男性機能の欠如。


即ち――


『男の欠陥品』故に"」



え…?




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