ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~



 

暗い、暗い、橙色の翳り。



消えて欲しいと切に願い続け、

もう見ることがないと思っていた…



橙色の深い闇。



8年前に…

煌が身に纏っていた暗黒の翳り。



それは、まだ…あったのか。



いつから…消えてしまえたのだと、俺は思い込んだのか。

何を…驕っていたのか。



心が痛くて…俺は唇を噛みしめる。



頼むから…煌、闇に囚われるな。



お前の居場所は…

"そっち"じゃない。



煌……!!!

< 490 / 974 >

この作品をシェア

pagetop