ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
├お姫様と金色2
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あたしの知らぬ処で、一体何が起こっていたのか。
身近な者達の"超能力"。
これならまだいい。
彼らは彼らで何も変わりないし、彼らにしか知り得ぬ秘密を知ることにより、ようやくあたしは…彼らの仲間となれたようで、むしろ気分は良かった。
親近感が一層湧いた…そんな心境だった。
だが問題はそれ以外。
ゾンビだの呪いだのから始まり、挙句の果てには、殺戮者だの東京破壊だの、物騒な単語まで飛び出してきた。
矢継ぎ早で変わりゆく状況の中、あたしの声まで出なくなり…その原因は、あたしという肉体にあるのではなく、もっと外部的な…人為的なものだという。
それは…篠山亜利栖という名の、少女の体を持つ…"藤姫"だとか言う、死んだはずの"元老院"メンバーらしい。
あたしの理解力は此処までだ。
必死に食らいついてみたけれど、あたしは櫂や玲くんのように…納得出来る処までは追いつかない。
陽斗は無論、桜ちゃんだって話は通じているのに…、ああ、オレンジワンコだけは、既にショートしてしまって、頭からお花を咲かせて…やけに楽しそうな顔をして遠くを見つめている。
奴は、櫂達の世界に足をどっぷりと入れ、何年も非日常世界を体感している癖に、思考力だけは…あたしと同じ側の人間だ。
なんて中途半端で…残念なワンコなんだ。
まあ…ワンコのことはおいておいて。
あたしには…2人の人間が1つの人間になるということが、まず受容出来ない。
何処から何処までが"篠山亜利栖"で、何処から何処までが"藤姫"なのか、その境界が何処にあるのかを考えれば、より混乱してくる。
藤姫は死んで、亜利栖は生きていた。
一度死んでいるものが、どんなに死に耐性がある体を使ったとしても、蘇るなんてことがありえない。
あたしの知らぬ処で、一体何が起こっていたのか。
身近な者達の"超能力"。
これならまだいい。
彼らは彼らで何も変わりないし、彼らにしか知り得ぬ秘密を知ることにより、ようやくあたしは…彼らの仲間となれたようで、むしろ気分は良かった。
親近感が一層湧いた…そんな心境だった。
だが問題はそれ以外。
ゾンビだの呪いだのから始まり、挙句の果てには、殺戮者だの東京破壊だの、物騒な単語まで飛び出してきた。
矢継ぎ早で変わりゆく状況の中、あたしの声まで出なくなり…その原因は、あたしという肉体にあるのではなく、もっと外部的な…人為的なものだという。
それは…篠山亜利栖という名の、少女の体を持つ…"藤姫"だとか言う、死んだはずの"元老院"メンバーらしい。
あたしの理解力は此処までだ。
必死に食らいついてみたけれど、あたしは櫂や玲くんのように…納得出来る処までは追いつかない。
陽斗は無論、桜ちゃんだって話は通じているのに…、ああ、オレンジワンコだけは、既にショートしてしまって、頭からお花を咲かせて…やけに楽しそうな顔をして遠くを見つめている。
奴は、櫂達の世界に足をどっぷりと入れ、何年も非日常世界を体感している癖に、思考力だけは…あたしと同じ側の人間だ。
なんて中途半端で…残念なワンコなんだ。
まあ…ワンコのことはおいておいて。
あたしには…2人の人間が1つの人間になるということが、まず受容出来ない。
何処から何処までが"篠山亜利栖"で、何処から何処までが"藤姫"なのか、その境界が何処にあるのかを考えれば、より混乱してくる。
藤姫は死んで、亜利栖は生きていた。
一度死んでいるものが、どんなに死に耐性がある体を使ったとしても、蘇るなんてことがありえない。