ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
床が落ちる。
僕達は一瞬にして落下する。
僕達の処だけ――
ということは、初めからの計画か。
滑り落ちるようにして行き着いた先は、神楽殿の傍近く。
今まで居た建物を見上げれば。
飾りのような大きな穴に映るのは…
こちらを見下す影。
そして着物姿の少女は口を動かす。
『生き残ってみなさい』
確かにそう動いた。
僕は少女を睨み付ける。
『そして――
…堕ちればいい』
その時――
『地獄の底で、
またお会いしましょう』
少女の目が悪魔のように邪悪に煌めき、
僕はくらりと目眩を感じた。
『GAME START』
そう――
笑い声が…心に響いた。