ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
├王子様の覚悟
櫂Side
**************
やけに…饒舌だとは思ったんだ。
芹霞の声が戻った。
その喜びを感じ入る時間も与えずして、
『昨日ぶり~、気高き獅子』
――誘われる。
次なる舞台(ステージ)へと。
氷皇は…意味ない動きはしない。
情など…ありはしない。
ならば――。
芹霞の傍に居るのは必然。
芹霞の声を戻したのも必然。
氷皇が、話を聞かせたかったのは…芹霞や陽斗ではない。
電話の向こう側に居る――
………俺だ。
氷皇は判っている。
俺達が元老院に…藤姫に会って、何をどうされたのか。
俺がどんな心境で居たのかも。
全て判っているからこそ、聞かせたんだ。
それは…紫堂のしでかしたことへの皮肉だけではない。
俺に聞かせたことも…必然。
『いや~お見事だったね~。"あれ"、公開処刑って奴? あははははは~』
公開処刑――。
俺は…少し前までを思い出す。
――――――――――
―――――――
――――
……
**************
やけに…饒舌だとは思ったんだ。
芹霞の声が戻った。
その喜びを感じ入る時間も与えずして、
『昨日ぶり~、気高き獅子』
――誘われる。
次なる舞台(ステージ)へと。
氷皇は…意味ない動きはしない。
情など…ありはしない。
ならば――。
芹霞の傍に居るのは必然。
芹霞の声を戻したのも必然。
氷皇が、話を聞かせたかったのは…芹霞や陽斗ではない。
電話の向こう側に居る――
………俺だ。
氷皇は判っている。
俺達が元老院に…藤姫に会って、何をどうされたのか。
俺がどんな心境で居たのかも。
全て判っているからこそ、聞かせたんだ。
それは…紫堂のしでかしたことへの皮肉だけではない。
俺に聞かせたことも…必然。
『いや~お見事だったね~。"あれ"、公開処刑って奴? あははははは~』
公開処刑――。
俺は…少し前までを思い出す。
――――――――――
―――――――
――――
……