ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
├お姫様の脱出
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目の前の青い男が、1,300万だの、2,000万だの…そんな数を言い始めた時、あたしの頭はぐらぐらした。
常識を越えた数は、血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)?
玲くんを苦しめた、あの呪詛の塊が一斉に櫂に向かうと、この青色はそう言っているのだろうか。
逃げて。
早くそこから逃げてよ!!
それは切なる願い。
だけど――
同時に思ってしまったんだ。
あたしはこの先…
櫂達に会うことが出来るんだろうか。
こんな"声"だけで…
さよならになってしまうんだろうか。
だから――
その前に一度だけでも会いたいと…そんなことを思ってしまったんだ。
あたしは最低だ。
あたしがどうとか…そんなの無関係で早く逃げて欲しいのに…
あたしの居ない処で、過ごして貰いたくないなんて…
本当に最低だ。
目の前の青い男が、1,300万だの、2,000万だの…そんな数を言い始めた時、あたしの頭はぐらぐらした。
常識を越えた数は、血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)?
玲くんを苦しめた、あの呪詛の塊が一斉に櫂に向かうと、この青色はそう言っているのだろうか。
逃げて。
早くそこから逃げてよ!!
それは切なる願い。
だけど――
同時に思ってしまったんだ。
あたしはこの先…
櫂達に会うことが出来るんだろうか。
こんな"声"だけで…
さよならになってしまうんだろうか。
だから――
その前に一度だけでも会いたいと…そんなことを思ってしまったんだ。
あたしは最低だ。
あたしがどうとか…そんなの無関係で早く逃げて欲しいのに…
あたしの居ない処で、過ごして貰いたくないなんて…
本当に最低だ。