ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~

├お姫様の疑惑

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「陽斗は?」


櫂にそう聞かれた時、心が痛んだ。


信じようと思ってはいるけれど、

心穏やかになっているわけではない。


陽斗、大丈夫かな。

不安は拭いきれない。


陽斗…。


――これがあれば、いつでも死ねるだろ?


陽斗の声が残響している。



――走れッッッ!!!



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