ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
├電脳オタクの煩悶
玲Side
******************
恐らく――
煌の変調は、藤姫が原因だ。
藤姫が、煌の…支配下たる元制裁者(アリス)の邪眼を目覚めさせたのだろう。
しかし元制裁者(アリス)とはいえ、煌には紅皇たる緋狭さんの庇護がある。
そう簡単に、真紅の邪眼が目覚めるはずは――
「!!!」
僕は、御階堂分家で…煌が倒れていたことを思い出す。
もしかするとあの瞬間、今に至る"何か"を仕込まれていたのかもしれない。
今この時の為に、邪眼が蘇生されやすくする為の、土壌を。
遠隔か、直接かは判らないけれど。
藤姫は――
煌を暴走させることにより、櫂に攻撃を仕掛け…紫堂の、僕達の連携不和を目論んでいる。
それに気づいたのは、
僕と――恐らく桜。
櫂と煌を一緒にさせてはいけない。
正直…
桜ではなく僕が残りたかった。
力の抑圧は桜に託せるけれど、芹霞が絡むなら話は別だ。
芹霞を求める心に、あいつは流された。
完全に我をなくした。
真紅の瞳。
垣間見えた…あいつの瞳の色。
藤姫の罠に嵌った。
******************
恐らく――
煌の変調は、藤姫が原因だ。
藤姫が、煌の…支配下たる元制裁者(アリス)の邪眼を目覚めさせたのだろう。
しかし元制裁者(アリス)とはいえ、煌には紅皇たる緋狭さんの庇護がある。
そう簡単に、真紅の邪眼が目覚めるはずは――
「!!!」
僕は、御階堂分家で…煌が倒れていたことを思い出す。
もしかするとあの瞬間、今に至る"何か"を仕込まれていたのかもしれない。
今この時の為に、邪眼が蘇生されやすくする為の、土壌を。
遠隔か、直接かは判らないけれど。
藤姫は――
煌を暴走させることにより、櫂に攻撃を仕掛け…紫堂の、僕達の連携不和を目論んでいる。
それに気づいたのは、
僕と――恐らく桜。
櫂と煌を一緒にさせてはいけない。
正直…
桜ではなく僕が残りたかった。
力の抑圧は桜に託せるけれど、芹霞が絡むなら話は別だ。
芹霞を求める心に、あいつは流された。
完全に我をなくした。
真紅の瞳。
垣間見えた…あいつの瞳の色。
藤姫の罠に嵌った。