ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~


「君も、藤姫に大分やられている感じだねえ。あはははは、やっぱり緋影の体の潜在能力、藤姫なら操れるんだね。

例え君が邪眼を持たなくても、君が邪念を抱き続ける限り、藤姫は君を煽り立てるはずだよ。

君――耐えられるの?」


"邪念"……。


「耐えて見せるさ!!」


僕は、怒鳴るように即座に返答した。



「君――俺が…

芹霞チャン凌辱しても平気?」


今……何を?


「興味あるなあ、君の鉄壁の自制心。

なんだか試してみたくなっちゃったよ」



「な!!!?」
 


「君が来ないと、俺は今ここで気高き獅子を殺し、地上に居る芹霞チャンを犯す。それでも君が平気だと言い張るのなら、君は黙って見ていればいい」



それは悪魔の囁き。



「彼女――

どんな風に啼くんだろうね」




艶然としたその笑いに、僕の血が沸騰する。



「やめろよ……


やめろッッ!!!」



そんなことをされたら、僕は。



「護りたいんだろう、君は。

だったら、芹霞チャンと一緒に、俺と一緒に来るかい?」



ああ――。


僕は――。




「さあ、どうする?」




僕は――。





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