ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
├王子様の覚悟
櫂Side
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――永遠なんて…俺を殺す気かよ。
どうして――
あんなことを言ってしまったのか。
芹霞相手に、それは禁句だと判っていた筈だったのに。
――やだやだやだッッ!! 離せッッ!!!
俺の手を拒んで、煌に逃げ込んだ芹霞。
"男"の煌は、俺を弾いて。
"男"の玲は、俺に挑んできて。
"男"を拒絶された俺に残されているのは、俺の矜持だけ。
奪おうとしているものも、
奪われようとしているものも。
全てが俺から剥がれて行く。
――芹霞ちゃあああん!!
行かないで。
俺から離れないで。
「……芹霞」
芹霞が居ない。
芹霞が俺の傍に居ない。
――芹霞ちゃあああん!!
戻ってきて。
俺の元に戻ってきて。
「芹……霞…」
今も昔もお前だけを想っている。
もうずっと。
気が遠くなるほど長い時の中、
抱き閉じ込めてしまいたい程強く。
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――永遠なんて…俺を殺す気かよ。
どうして――
あんなことを言ってしまったのか。
芹霞相手に、それは禁句だと判っていた筈だったのに。
――やだやだやだッッ!! 離せッッ!!!
俺の手を拒んで、煌に逃げ込んだ芹霞。
"男"の煌は、俺を弾いて。
"男"の玲は、俺に挑んできて。
"男"を拒絶された俺に残されているのは、俺の矜持だけ。
奪おうとしているものも、
奪われようとしているものも。
全てが俺から剥がれて行く。
――芹霞ちゃあああん!!
行かないで。
俺から離れないで。
「……芹霞」
芹霞が居ない。
芹霞が俺の傍に居ない。
――芹霞ちゃあああん!!
戻ってきて。
俺の元に戻ってきて。
「芹……霞…」
今も昔もお前だけを想っている。
もうずっと。
気が遠くなるほど長い時の中、
抱き閉じ込めてしまいたい程強く。