ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
ああ――俺、馬鹿だ。
こんな時まで、櫂に嫉妬している。
櫂なしでは生きれない、芹霞。
酷く櫂が羨ましい。
血染め石を守護石に選んだ櫂が羨ましい。
本当に――
馬鹿すぎるな、俺は。
生きてようと、死んでいようと。
――ねえ、煌。
俺に語りかける、いつもの芹霞であればどうでもいい。
――黙れ、この馬鹿ワンコッッ!!!
芹霞が芹霞でさえあれば。
――大好きな幼馴染だよ?
俺は、だから――
お前が好きなんだと…
本当にそう思うんだ。
芹霞……。
お前は今、何を思ってる?