ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~

├警護団長の受容

 桜Side
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衝撃……だった。



芹霞さんが――

いつも活き活きとしているあの芹霞さんが、死んでいたなんて。


どこをどうみても生者だというのに。


少なくとも。


感情がよく判らない私より、よっぽと"生きている"のに。


冗談だと思った。


だけど緋狭様と櫂様の様子を見ていれば、冗談ではないことは判る。


そしてこれは多分…

玲様も知っているのだろう。


御階堂分家で芹霞さんが仮死状態になった時、だから2人の顔色が尋常ではなかったのか。


制裁者(アリス)の出現で、無意識なりとも…再現された記憶のせいで、彼女は本来在る闇に還ろうとしたのか。



ああ――なんてこと。


櫂様と事態を知る玲様は、8年間も影から芹霞さんを守り通してきたというのか。


そして8年間も。


私は何も知らずに居たのか。

この馬鹿蜜柑と共に。


私は、馬鹿蜜柑と同じ扱いなのか。


思わず嗤いたくなってくる。


自分の無知に、無力さに。


例え真実を知った処で、紫堂の力を持たない私が何が出来るというわけでもないけれど、それでも"知っている"のと"知らない"のでは意味合いが違う。



私も――

芹霞さんを護りたかった。



櫂様と玲様と一緒に、

芹霞さんを護りたかったのに!!


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