ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「は……はは。
僕の名前を…刻んだ…だけだ。
今はまだ分散……だろうが……もう少しすれば完全に――僕だけが受ける」
会話の真意が判らない。
あたし1人が取り残されている。
「うふふふふ。教えてやろう、愚かなる小娘」
藤姫はあたしに言ったんだ。
「その男は呪詛の対象を――
紫堂櫂から…
自分に書き換えたのだ」
「はあ!!?」
つまり玲くんが。
櫂に向けられている呪詛を受けているということ!?