ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
├電脳オタクの賭け
玲Side
*******************
僕は――
芹霞が櫂によって"生かされている"と知っていた。
その上で、好きになったんだ。
その上で、抱きたいと思った。
僕にとって"生"も"死"も関係なく、動いて僕に語りかけてくれる…今の芹霞だけが僕の真実。
僕は芹霞という存在が欲しいんだ。
僕には芹霞という存在が必要なんだ。
――櫂……。
真実に惑っても芹霞は…
僕ではなく、此処に居ない櫂を想って泣く。
芹霞にとって櫂の位置づけは絶対的で。
どうしようもない嫉妬に胸が焦げ付く。
此処まで想われている櫂が酷く羨ましく、酷く妬ましく。
違う――。
芹霞にとっての僕の存在は、
櫂という存在と意味合いが違う。
判っていたことだったのに。
尚強く感じる――確信。
芹霞は櫂を愛している。
本人が思う以上に深く。
本人がそれを"恋愛"だと認めていないだけで。
思い知らされる。
打ちのめされる。
嫌だ。
櫂に渡したくない。
ずっと気づかないでいてくれよ。
ずっと眠り続けていてくれよ。
僕だって櫂と同じく君を欲している。
僕が櫂の立場でも、同じことをしただろう。
ただ――…
出会いが遅かっただけの話。
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僕は――
芹霞が櫂によって"生かされている"と知っていた。
その上で、好きになったんだ。
その上で、抱きたいと思った。
僕にとって"生"も"死"も関係なく、動いて僕に語りかけてくれる…今の芹霞だけが僕の真実。
僕は芹霞という存在が欲しいんだ。
僕には芹霞という存在が必要なんだ。
――櫂……。
真実に惑っても芹霞は…
僕ではなく、此処に居ない櫂を想って泣く。
芹霞にとって櫂の位置づけは絶対的で。
どうしようもない嫉妬に胸が焦げ付く。
此処まで想われている櫂が酷く羨ましく、酷く妬ましく。
違う――。
芹霞にとっての僕の存在は、
櫂という存在と意味合いが違う。
判っていたことだったのに。
尚強く感じる――確信。
芹霞は櫂を愛している。
本人が思う以上に深く。
本人がそれを"恋愛"だと認めていないだけで。
思い知らされる。
打ちのめされる。
嫌だ。
櫂に渡したくない。
ずっと気づかないでいてくれよ。
ずっと眠り続けていてくれよ。
僕だって櫂と同じく君を欲している。
僕が櫂の立場でも、同じことをしただろう。
ただ――…
出会いが遅かっただけの話。