ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
├王子様の絶叫
櫂Side
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芹霞に――
どう接して良いのか判らなかったんだ。
いつも通りに振る舞って良いのか。
それとも今は、控えた方が良いのか。
あんなに…泣かせてしまった俺だから。
だから、芹霞の反応を窺った。
目が合った芹霞は――
身体を強張らせた。
煌には…あんなほっとした顔を見せていたのに、俺には…極度の緊張を見せた。
他人より…開いた距離。
幼馴染以下の…距離。
視線を搦めて尚も…
その距離は埋まらない。
芹霞の…心が遠かった。
それがどんなに心を抉られたか、
芹霞…お前はきっと判るまい。
だから――
建物が崩れた時。
咄嗟の反応が遅れてしまったんだ。
芹霞を抱いて護ろうと、伸した手を掠めるように…
目の前で…金色に奪われた。
芹霞を。
俺はただ――
堕ちて行くのみ…。
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芹霞に――
どう接して良いのか判らなかったんだ。
いつも通りに振る舞って良いのか。
それとも今は、控えた方が良いのか。
あんなに…泣かせてしまった俺だから。
だから、芹霞の反応を窺った。
目が合った芹霞は――
身体を強張らせた。
煌には…あんなほっとした顔を見せていたのに、俺には…極度の緊張を見せた。
他人より…開いた距離。
幼馴染以下の…距離。
視線を搦めて尚も…
その距離は埋まらない。
芹霞の…心が遠かった。
それがどんなに心を抉られたか、
芹霞…お前はきっと判るまい。
だから――
建物が崩れた時。
咄嗟の反応が遅れてしまったんだ。
芹霞を抱いて護ろうと、伸した手を掠めるように…
目の前で…金色に奪われた。
芹霞を。
俺はただ――
堕ちて行くのみ…。