ベタな展開でホラー(短編集)
「あっ」





思わず声が漏れた。






消しゴムを落としてしまったのだ。







消しゴムは白色の床を転がる。








内心めんどくせぇなと思いつつ、消しゴムを拾おうと、腰を曲げて手を伸ばした。








僕が消しゴムをがっしり掴むと、少し遅れて別の手が伸びてきて、僕の手を優しく覆った。






とてもやわらかい手だった。







僕の隣りの席の鈴木さんの手だ。














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