小悪魔彼女と天然彼氏
なんだろぅ・・・?と

南くんの顔をうかがっていると

「ホントにその髪型・・・かわいいょ?」

といじわるそうな顔をして言ってくれた。

「っ・・・!?」

驚いて、声にならない声で驚いてしまい、

ついガタンッと席を立ってしまった。

みんなの視線が私のほうを向き、

「北野、どうした?」

と先生に聞かれた。

急な質問に

「ぇ・・・ぁ・・・。」

と戸惑っていると

「メイドやるか?」

と笑顔で聞かれて、さらに戸惑った。

・・・そういえば、そうだった。

今は1時間目の授業で、

文化祭の出し物でやる喫茶の

メイドと執事を決めている最中だった。

どうしよう・・・。

このままじゃ、

メイドやることになっちゃう・・・。

と困りながら考えていると

1人の男子生徒が立ちあがり

「き、北野さんは、か・・・かわいいから

いいと思います!」

とかみながらだったが

先生に案を出していた。

「ぇ・・・。」

いきなりのことで、声が出てしまった。

「うーん・・・。みんな、それでいいか?」

とクラス全員にいうと

「賛成ー!」

という声ばかりで「反対」の声がなかった。

それを見た先生は、

「それじゃあ決定。北野、がんばれよ。」

と私の意見を聞かないで決めてしまった。

ちょ・・・ちょっと待ってよ・・・。

それじゃあ、私がメイドをやるっていうこと?

私は、力が抜けて席に座った。

先生は、私が座るのを確認すると

次の話に進めた。

「じゃあ次、執事は誰がやるんだ?」

と先生が言った瞬間、

「はーぃ!彼方くんがいいと思いまーす。」

と1人の女子が言った。

「賛成ー!!」

と女子の声が一致していた。

もちろん、男子も反対はないようだった。

私は、うつぶせになって

先生の話を聞いていると

「じゃあ、執事も決定だな。

南、よろしくたのむぞ。」

と答えると

「はい、わかりました。」

と執事の役を引き受けていた。
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