完璧な彼氏×おバカな彼女
代々木さんのもとに向かう途中、海のあの表情が忘れられずにもう一度聞いた。

「海、お前サッカーやらなくて本当にいいのか??」

「うん。芸能界に入った以上無理だよん。」

「社長に聞いてみたのか??」

「まだだよん。」

「まだ聞いてもないのに決めつけてんのか??」

「だって聞くまでもないよん。聞いた所で駄目って言われるのが目に見えてるんだから」

「お前にとってサッカーはそんなものなのか??」

「龍に何が分かるんだよ」

「何にも分かんねぇよ。んなもん分かりたくもねぇよ。その代わり、後悔だけはするなよ」

そう言うと海は、どこかへ行ってしまった。

俺は、代々木さんの所へ向かった。

「おっ龍。待ってたんだぞ!!って海は??涼介は二人来るって言ってたんだけどよ。」

「今日は予定の時間より遅くなってしまってすみませんでした。」

「人間誰でもあるって・・。気にすんなよ。」

「ありがとうございます。」

「もう一度聞くぞ。海は??」

「実はここへ向かう途中、喧嘩になってしまって・・・」

俺は、喧嘩した内容を代々木さん聞いてもらった。

代々木さんは、俺たちがデビューしてからずっと写真を撮り続けてくれるカメラマン。代々木さんは40代後半。少し頭がハゲている。けれど、服装はいつも赤やピンクといった明るい服ばかり着ている。

「お前と海が喧嘩するなんて、珍しいな。そんな事があったんだな。けど、お前の言った事は間違ってない。これから海がどうなるかだ。」









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