青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「う~ん、それにしても光かぁ~。アタシ食べたことないから味わかんないなぁ」

「それ以前に味わうものじゃないだろう・・・・・・」

 仙太の正論に、いかにそれが判別の見極めが難しいことを一同は思い知る。
ただ強い光だけのじゃ駄目だというクヲンの指摘もあり、どんな光ならば極上の餌になるのか想像もつかない状況に誰もが悩み、無言となる。

「んあ〜〜〜っ!!」

 一分も経たないうちに空兎のおつむが大噴火。自らの髪をクシャクシャにかいた後、脱力して仰向けに寝転がる。

「光かぁ・・・・・・」

 呟いて見上げる先には、今日も日差しの強い太陽が見えた。

 光。
 太陽の日差し。
 眩しい。

 空兎の頭の中で、それらが結びついて、何かが閃いた。

「太陽! 太陽なんてどう? なんか極上っぽくない!?」

 起き上がるなり嬉々として叫ぶ空兎に、全員の視線が集まる。真っ先に苦言を露呈したのはセレビアだった。

「それでどうやって釣るのよ? まさか太陽の近くで待ち伏せるなんて言わないわよね?」

「ダメ?」

「物凄く速くて、太陽の熱に耐えられる宇宙船がなきゃ無理ね」

 キッパリと言い切られ、空兎は唇を尖らせながら項垂れた。

「まぁ、確かに太陽の光というのは極上な感じはしますけどね」

 ジョーがフォローするも、肝心の空兎の耳には届いてないようだ。そこへクヲンが追い打ちをかける。

「ま、“鍵”が単体で太陽まで行けるような非常識な化け物だったら普通に嫌だよな」

「だよね~」

 ぼやきながらとうとう頭を地につける空兎。よっぽど自信があった案だけにショックが大きいようだ。

「あ、ちょっといいかな?」

 そんな中、恐る恐るといった感じで、仙太が小さく手をあげた。
 一同の視線が空兎から仙太に移る。その幾らか期待がこもった目に困惑しつつ、仙太は思いついた案を切り出してみた。

「太陽そのものは無理でも、太陽みたいな光だったらどうかな?」

 沈黙が数秒間流れた後、空兎が目を輝かせた。

「おお! それだ!」

 ぶつかりそうなくらい顔を近づける空兎に、仙太は思わずたじろぐ。
 そこへセレビアの冷めた声が飛んできた。

「けど、太陽みたいな光って何?」
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