青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
§
クヲンは物陰と話していた。
「あいつら、極上の光のことを花火ってさ」
それに物陰が返す。まるで鼻にかけた笑いだ。
「はん! 俺らが十数年間、まるで手掛かりないんだぞ? 当然、花火も試したさ」
「でも今度は違うかもしれない・・・・・・賭けてみる気ないかい?」
クヲンがニヤリと笑う。物陰が何かを言い返そうとして止めた。
向こうから空兎が来たのが見えたからである。
「トイレ終わった~?」
その声に、クヲンは表情崩さず「終わったよ!」明るく応えて、その場をあっさりと離れていく。引き留めようにも、この場に空兎が来ないとも限らないので諦めた。
だが、意外なことにクヲンの方から後ろ向きで話しかけてきた。
「心配しなくても大丈夫だよ、灰山さん。きっと、なんかなるって」
その言葉の意味に、物陰に潜んでいた男、灰山は、怪訝な顔をしながら去り行くクヲンの背中を見送った。
それが、どこかのヒーローの吐いた台詞を知らずに。
§
「いやぁ悪ぃ。いきなりもよおしてよ」
関口一番、下品に告げるクヲンに、「生理現象だもん仕方ないよ」と、にこやかにフォローする空兎。しかし、セレビアの表情は、あからさまに不機嫌という表現がぴったりだった。
「じゃあ、行きましょうか?」
荷物を片付けたジョーの掛け声で一同は、さっそくセレビアの広げた絨毯へと乗り込んでいく。
これを見て、クヲンが的を射たかのような顔になった。
「へぇー、これが魔法の絨毯って奴かぁ」
「そうだよ! えっへん!」
(自分の物じゃないのに・・・・・・)
仙太は、そんな空兎に改めて呆れる中、隣のジョーが予め用意していた地図を広げていく。
「それじゃヒーローくん、道案内お願いできるかしら?」
「えぇ、もちろん」
フワリと絨毯が舞い上がり、ジョーの道案内の示すままに進んでいく。
初めての空の旅の感覚に、クヲンは最初テンションが上がりっぱなしだったが、すぐに慣れたのか、徐々に落ち着きを取り戻しつつあった。
クヲンは物陰と話していた。
「あいつら、極上の光のことを花火ってさ」
それに物陰が返す。まるで鼻にかけた笑いだ。
「はん! 俺らが十数年間、まるで手掛かりないんだぞ? 当然、花火も試したさ」
「でも今度は違うかもしれない・・・・・・賭けてみる気ないかい?」
クヲンがニヤリと笑う。物陰が何かを言い返そうとして止めた。
向こうから空兎が来たのが見えたからである。
「トイレ終わった~?」
その声に、クヲンは表情崩さず「終わったよ!」明るく応えて、その場をあっさりと離れていく。引き留めようにも、この場に空兎が来ないとも限らないので諦めた。
だが、意外なことにクヲンの方から後ろ向きで話しかけてきた。
「心配しなくても大丈夫だよ、灰山さん。きっと、なんかなるって」
その言葉の意味に、物陰に潜んでいた男、灰山は、怪訝な顔をしながら去り行くクヲンの背中を見送った。
それが、どこかのヒーローの吐いた台詞を知らずに。
§
「いやぁ悪ぃ。いきなりもよおしてよ」
関口一番、下品に告げるクヲンに、「生理現象だもん仕方ないよ」と、にこやかにフォローする空兎。しかし、セレビアの表情は、あからさまに不機嫌という表現がぴったりだった。
「じゃあ、行きましょうか?」
荷物を片付けたジョーの掛け声で一同は、さっそくセレビアの広げた絨毯へと乗り込んでいく。
これを見て、クヲンが的を射たかのような顔になった。
「へぇー、これが魔法の絨毯って奴かぁ」
「そうだよ! えっへん!」
(自分の物じゃないのに・・・・・・)
仙太は、そんな空兎に改めて呆れる中、隣のジョーが予め用意していた地図を広げていく。
「それじゃヒーローくん、道案内お願いできるかしら?」
「えぇ、もちろん」
フワリと絨毯が舞い上がり、ジョーの道案内の示すままに進んでいく。
初めての空の旅の感覚に、クヲンは最初テンションが上がりっぱなしだったが、すぐに慣れたのか、徐々に落ち着きを取り戻しつつあった。