青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「ま、マ、レスト! わ、私!……私!」
「何も言うんじゃねーよ……バカ野郎が!」
語尾は明るくトーンを上げていた。セレビアを安心させるために。
「……師匠命令だ、拒否は許さん。……今すぐ脇目も振らずに逃げろ」
「……え?」
「……生きろ。それが師として教えてやれる最後の言葉だ。……多分」
聞き返す間もなくマレストは身を翻す。呼吸が荒いのは肺に小さいとはいえ穴が開いているせいだろう。
とにかく放っては置けない。
あの狙撃手に劣勢とはいえ、あの若い女性も魔法使いであることは間違いない。まだ、半人前とはいえ、彼女と協力すれば或いは・・・・・・。
「余計なこと考えてじゃねぇぞ……足、震えてるぞ」
マレストの言う通りセレビアの足は震えていた。無理に止めようとしても駄目、すぐまた震えが来る。
「強がりやがって……仕方ねぇな」
苦笑しながら何かを呪文を唱える。するとフワリとセレビアの体が浮く。
「待っ――」
セレビアはその一言が言えぬまま、一瞬にして森の外―――つまり強制的にワープさせられたのだ。
最後にマレストのもう一度「生きろよ」という口の動きが目に焼き付いて離れない。
「っ!」
マレストの魔法が解けるや否や、セレビアはもう一度森の中へと入った。今度は足の震えなんて関係ない。無我夢中で駆け出した。
その間も、とめどなく過ぎるのは嫌な予感だけ。そして、溢れるのは涙。
「どうしてよっ!」
涙声で滲ませながら叫ぶ。
そして、嫌な予感は―――
的中した。
ようやく辿り着いたそこには、変わり果てたマレストが立っていた。
左手を突き出した格好のまま全身が氷に覆われていた姿で。
一部始終を見ていたあの女性曰く、「これは禁忌……この中でマレストは永久の時を刻まなければならない」とのこと。
呼び捨てにする当たり、この女性もただの関係ではないのだろう、言った後、しゃくりあげて泣いてしまった。
あの男はどうしたのだろうか?
姿が見えないあたり倒したのだろうか?
「何も言うんじゃねーよ……バカ野郎が!」
語尾は明るくトーンを上げていた。セレビアを安心させるために。
「……師匠命令だ、拒否は許さん。……今すぐ脇目も振らずに逃げろ」
「……え?」
「……生きろ。それが師として教えてやれる最後の言葉だ。……多分」
聞き返す間もなくマレストは身を翻す。呼吸が荒いのは肺に小さいとはいえ穴が開いているせいだろう。
とにかく放っては置けない。
あの狙撃手に劣勢とはいえ、あの若い女性も魔法使いであることは間違いない。まだ、半人前とはいえ、彼女と協力すれば或いは・・・・・・。
「余計なこと考えてじゃねぇぞ……足、震えてるぞ」
マレストの言う通りセレビアの足は震えていた。無理に止めようとしても駄目、すぐまた震えが来る。
「強がりやがって……仕方ねぇな」
苦笑しながら何かを呪文を唱える。するとフワリとセレビアの体が浮く。
「待っ――」
セレビアはその一言が言えぬまま、一瞬にして森の外―――つまり強制的にワープさせられたのだ。
最後にマレストのもう一度「生きろよ」という口の動きが目に焼き付いて離れない。
「っ!」
マレストの魔法が解けるや否や、セレビアはもう一度森の中へと入った。今度は足の震えなんて関係ない。無我夢中で駆け出した。
その間も、とめどなく過ぎるのは嫌な予感だけ。そして、溢れるのは涙。
「どうしてよっ!」
涙声で滲ませながら叫ぶ。
そして、嫌な予感は―――
的中した。
ようやく辿り着いたそこには、変わり果てたマレストが立っていた。
左手を突き出した格好のまま全身が氷に覆われていた姿で。
一部始終を見ていたあの女性曰く、「これは禁忌……この中でマレストは永久の時を刻まなければならない」とのこと。
呼び捨てにする当たり、この女性もただの関係ではないのだろう、言った後、しゃくりあげて泣いてしまった。
あの男はどうしたのだろうか?
姿が見えないあたり倒したのだろうか?