青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「ねぇ、お兄ちゃん。ヒーローっているよね?」
ほんの少しジョーが物思いに耽っている間に、スプーンを持ってプリンを食べ始めているハルナが訊いてきた。
「えぇ、いますよ」
変わらずの微笑みで返すジョー。それだけの自信が彼にはあるのだ。
なぜなら目の前にいるこの兄こそが
正真正銘のヒーローなのだから。
「だよねっ!」
だが、そのことをハルナは知らない。満面の笑みを浮かべて、こんなにもヒーローの存在を信じているハルナには知られるわけにはいかないのだ。
生まれた時からジョーは、ヒーローだった。
変身もできるとわかっていた。
しかし、肝心の悪の組織、宇宙からの侵略者や怪獣なども現れることはなかった。
だからテレビの特撮ヒーローのように変身して戦う必要なんてなかったが、ヒーローである以上、彼等と同じように自分がヒーローであることは秘密にすることは守るべきだと自覚していた。
元々、性格が平和主義に傾いていたジョーは、幼いときから只の一度も喧嘩をしたことがない。体が丈夫なだけに例え殴られたりしても平気な顔をする上、性格上それも長続きしない。
皆、毒気を抜かれてしまうか、呆れられてしまうかのどちらかに終わってしまう。
それから時が過ぎて、結局ジョーは一度も変身することなく、並外れた丈夫な体と身体能力を手に入れてから今日に至る。
「あ~あ、だったら会いに来てくれないかなぁ」
プリンの甘さを甘美しつつ、ハルナはぼやいた。
「ヒーローは秘密主義です。簡単には教えてくれないと思いますよ」
「ん~、まぁ、いいわ! 簡単にわかったら面白くないもん!」
ニッと笑うその笑顔を見ながら、ジョーは「そうですね」と微笑みながら返す自分に虚しさを感じ始めた。
果たしてハルナはいつまで生きていけるのだろうか?
1年先か、2年先か、もしかしたら半年で病魔は彼女の体を蝕んでしまうかもしれない。まるで予測がつかないのだ。
今は元気に見えても病状は確実に進行しているとのことだ。
「ハルナは何故ヒーローに会いたいのですか?」
突然の兄の質問に、ハルナは眉間にしわを寄せて珍妙な悩みっぷりを見せた。どうやら具体的な理由は考えてなかったようだ。
ほんの少しジョーが物思いに耽っている間に、スプーンを持ってプリンを食べ始めているハルナが訊いてきた。
「えぇ、いますよ」
変わらずの微笑みで返すジョー。それだけの自信が彼にはあるのだ。
なぜなら目の前にいるこの兄こそが
正真正銘のヒーローなのだから。
「だよねっ!」
だが、そのことをハルナは知らない。満面の笑みを浮かべて、こんなにもヒーローの存在を信じているハルナには知られるわけにはいかないのだ。
生まれた時からジョーは、ヒーローだった。
変身もできるとわかっていた。
しかし、肝心の悪の組織、宇宙からの侵略者や怪獣なども現れることはなかった。
だからテレビの特撮ヒーローのように変身して戦う必要なんてなかったが、ヒーローである以上、彼等と同じように自分がヒーローであることは秘密にすることは守るべきだと自覚していた。
元々、性格が平和主義に傾いていたジョーは、幼いときから只の一度も喧嘩をしたことがない。体が丈夫なだけに例え殴られたりしても平気な顔をする上、性格上それも長続きしない。
皆、毒気を抜かれてしまうか、呆れられてしまうかのどちらかに終わってしまう。
それから時が過ぎて、結局ジョーは一度も変身することなく、並外れた丈夫な体と身体能力を手に入れてから今日に至る。
「あ~あ、だったら会いに来てくれないかなぁ」
プリンの甘さを甘美しつつ、ハルナはぼやいた。
「ヒーローは秘密主義です。簡単には教えてくれないと思いますよ」
「ん~、まぁ、いいわ! 簡単にわかったら面白くないもん!」
ニッと笑うその笑顔を見ながら、ジョーは「そうですね」と微笑みながら返す自分に虚しさを感じ始めた。
果たしてハルナはいつまで生きていけるのだろうか?
1年先か、2年先か、もしかしたら半年で病魔は彼女の体を蝕んでしまうかもしれない。まるで予測がつかないのだ。
今は元気に見えても病状は確実に進行しているとのことだ。
「ハルナは何故ヒーローに会いたいのですか?」
突然の兄の質問に、ハルナは眉間にしわを寄せて珍妙な悩みっぷりを見せた。どうやら具体的な理由は考えてなかったようだ。