青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
朝一番から体力を消耗したクヲンは、テーブル越しのマリィを確認するが、そこに彼女の姿はない。
しかし、クヲンは驚くよりも先にテーブルに置かれている一枚のメモ用紙の存在に気づき、それを手に取り、
「……なんじゃこりゃ」
と頭を一瞬抱えた。
無理もない。
恐らく「おせわになりました」と書かれているのだろうが、所々文字が逆になっていたり「お」が「を」になっていたりとなっている、見方によっては暗号めいたものなのだから。
ともあれ、この妙ちくりんなメモから推測するに、あのマリィとかいう少女は自分の意思で出て行ったということなのだろうか?
(ご丁寧に毛布まで畳まれてんなぁ)
綺麗に四つ折りに畳まれた毛布を見て、クヲンは溜息をついた。
何か釈然としないが、いつまでも考えても仕方ないと思ったクヲンは、朝食を食べようと冷蔵庫を開けた。
「マジかよ・・・・・・」
開けるなり目が点になるクヲン。昨日買っておいた六枚切りの食パンが一夜にして見事に全て食べられてしまっている。
犯人は多分、マリィだ。
§
結局、その日は朝からおかずだけで栄養を補充したものの、主食を失った体では何となく元気がでない。
商店街は相変わらずのクリスマスムードが盛り上がっているが、クヲンは少々テンション低めで朝の通学路を歩いていた。
(さびぃぃい・・・・・・これで俺が凍死したらアイツのせいだ)
白い息を吐きながら身を震わせつつ、しばらく歩いていると噂の「アイツ」に遭遇した。
「………なにやってんだ? アイツ」
何処へ行くつもりなのかは知らないが、マリィは建物と建物の間に強引にいろうとしているところだった。
珍妙なその姿に呆れつつ、クヲンは駆け寄り彼女の肩を叩いた。
首だけ振り返ったマリィの頬は壁の煤で少し汚れていた。
「あ、お久しぶりです」
「いや、別れてから24時間経ってねぇし」
マリィの笑顔のボケに、クヲンは冷めた態度で突っ込んだ。照れ笑いするマリィにクヲンはさらに
「冷蔵庫にあった食パン食ったのもお前か?」
と問うと、
「はい、美味しかったです」
と弁解もなくあっさりと答えた。
しかし、クヲンは驚くよりも先にテーブルに置かれている一枚のメモ用紙の存在に気づき、それを手に取り、
「……なんじゃこりゃ」
と頭を一瞬抱えた。
無理もない。
恐らく「おせわになりました」と書かれているのだろうが、所々文字が逆になっていたり「お」が「を」になっていたりとなっている、見方によっては暗号めいたものなのだから。
ともあれ、この妙ちくりんなメモから推測するに、あのマリィとかいう少女は自分の意思で出て行ったということなのだろうか?
(ご丁寧に毛布まで畳まれてんなぁ)
綺麗に四つ折りに畳まれた毛布を見て、クヲンは溜息をついた。
何か釈然としないが、いつまでも考えても仕方ないと思ったクヲンは、朝食を食べようと冷蔵庫を開けた。
「マジかよ・・・・・・」
開けるなり目が点になるクヲン。昨日買っておいた六枚切りの食パンが一夜にして見事に全て食べられてしまっている。
犯人は多分、マリィだ。
§
結局、その日は朝からおかずだけで栄養を補充したものの、主食を失った体では何となく元気がでない。
商店街は相変わらずのクリスマスムードが盛り上がっているが、クヲンは少々テンション低めで朝の通学路を歩いていた。
(さびぃぃい・・・・・・これで俺が凍死したらアイツのせいだ)
白い息を吐きながら身を震わせつつ、しばらく歩いていると噂の「アイツ」に遭遇した。
「………なにやってんだ? アイツ」
何処へ行くつもりなのかは知らないが、マリィは建物と建物の間に強引にいろうとしているところだった。
珍妙なその姿に呆れつつ、クヲンは駆け寄り彼女の肩を叩いた。
首だけ振り返ったマリィの頬は壁の煤で少し汚れていた。
「あ、お久しぶりです」
「いや、別れてから24時間経ってねぇし」
マリィの笑顔のボケに、クヲンは冷めた態度で突っ込んだ。照れ笑いするマリィにクヲンはさらに
「冷蔵庫にあった食パン食ったのもお前か?」
と問うと、
「はい、美味しかったです」
と弁解もなくあっさりと答えた。