青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
含みのある笑みで挑発するクヲン。
その両手が再びポケットの中へと入る。
「どういうこと?」
「さぁね……それよりさ、とっとと封印って奴を解いてくんないかな? そして“本”をこっち渡してくれよ」
「もとより前者はそのつもりよ。でも後者は断固拒否させてもらうけど……」
腕を組んでセレビアも不敵に笑ってみせる。
互い僅かも視線は逸らさない。
この状況で次に口を開いたのはクヲンの方だった。
「知ってるぜ。アンタは封印中、ほとんど魔法が使えないんだってな?」
その瞬間、セレビアの口角が下がると同時に眉が微かに動く。
目が少し俯き加減に逸れたのを見て、クヲンはさらに続けた。
「つまり、今のアンタは普通の人間の女ってことだ。力ずくなら若い男の俺には敵わないってことだ」
「……“若い”は余計よ」
28のセレビアが“若い”という部分に一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに気を取り直して軽蔑の眼差しを向ける。
「意外ね。乱暴するタイプには見えないけど……」
「こう見えてもドS……なんてね。ホントはしたくないんだよ。そーゆーの後味悪いし……。けど、手段、選んでる余裕ないからよ」
クヲンの目付きが、真剣そのものに変わる。そして、セレビアも……。
「私もよ……!」
睨み合うこと数秒後、再びクヲンが問う。
「もう一度訊くぜ。“本”を───」
クヲンの言葉を遮るかのように、セレビアは指を拳銃のような形にした。
「知ってた? しつこい男って嫌われるのよ」
指先にくすぶる赤いもの。それを炎だと認識するまで、クヲンは数秒の時間が掛かってしまった。
「ちょっ、ちょっと待て! アンタ、封印中は魔法使えねぇんじゃないのかよ!」
「えぇ、“ほとんど”ね。それにこれ、私の得意な魔法だし♪」
「うは、ヤベ……」
一気に血の気が引くクヲンに対して、セレビアは勝ち誇った表情で、
「バン!」
炎魔法の引き金を引いた。
ある程度溜められた炎はまるで爆弾のような作用を持ち、凄まじい爆発音を図書室中に轟かせた。
その両手が再びポケットの中へと入る。
「どういうこと?」
「さぁね……それよりさ、とっとと封印って奴を解いてくんないかな? そして“本”をこっち渡してくれよ」
「もとより前者はそのつもりよ。でも後者は断固拒否させてもらうけど……」
腕を組んでセレビアも不敵に笑ってみせる。
互い僅かも視線は逸らさない。
この状況で次に口を開いたのはクヲンの方だった。
「知ってるぜ。アンタは封印中、ほとんど魔法が使えないんだってな?」
その瞬間、セレビアの口角が下がると同時に眉が微かに動く。
目が少し俯き加減に逸れたのを見て、クヲンはさらに続けた。
「つまり、今のアンタは普通の人間の女ってことだ。力ずくなら若い男の俺には敵わないってことだ」
「……“若い”は余計よ」
28のセレビアが“若い”という部分に一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに気を取り直して軽蔑の眼差しを向ける。
「意外ね。乱暴するタイプには見えないけど……」
「こう見えてもドS……なんてね。ホントはしたくないんだよ。そーゆーの後味悪いし……。けど、手段、選んでる余裕ないからよ」
クヲンの目付きが、真剣そのものに変わる。そして、セレビアも……。
「私もよ……!」
睨み合うこと数秒後、再びクヲンが問う。
「もう一度訊くぜ。“本”を───」
クヲンの言葉を遮るかのように、セレビアは指を拳銃のような形にした。
「知ってた? しつこい男って嫌われるのよ」
指先にくすぶる赤いもの。それを炎だと認識するまで、クヲンは数秒の時間が掛かってしまった。
「ちょっ、ちょっと待て! アンタ、封印中は魔法使えねぇんじゃないのかよ!」
「えぇ、“ほとんど”ね。それにこれ、私の得意な魔法だし♪」
「うは、ヤベ……」
一気に血の気が引くクヲンに対して、セレビアは勝ち誇った表情で、
「バン!」
炎魔法の引き金を引いた。
ある程度溜められた炎はまるで爆弾のような作用を持ち、凄まじい爆発音を図書室中に轟かせた。