青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
だが、さすがに銀色の前髪が少しばかり焦げてしまった。
「手加減なしっすね……」
それに気圧されてか、やや、スピードが落ちてセレビアの後方に位置してしまったクヲンだが、充分追いつける距離だ。
しかし、この機を逃すセレビアではない。
「ドキュン! ドキュン! ドキュン!」
雷魔法の連発。
その全てをクヲンは回避したが、その雷は、アスファルトや電線といった至るところへと飛び火していった。
晴れた日に轟く雷鳴。
地域住民がその不思議現象に首を捻るが、それは今の二人には関係のないことだった。
尽くセレビアの攻撃を回避していったクヲンたが、確実に距離は離れていっていた。
「ちょっ~と、マズイッスね、これ」
苦笑いをするも、すぐに何か策を閃いたのか、クヲンは、突如として加速した。
まさに特攻というべき行動だ。迎撃の雷や炎も避けずに向かっていっていると、瞬く間にセレビアの前へと躍り出た。
「何を!?」
「まださ!」
刹那のやり取り後、クヲンは更にスピードを上げ、上昇───天高く舞い上がった。
突発的なクヲンの動きに翻弄されて、箒で飛びながらもセレビアは思わず顔を上げてしまう。
辛うじてお互いが肉眼で確認できるくらいでセレビアの上をとったクヲンは、その距離を保ちながら飛行する。
そして、自らの翼から羽根を二枚むしりとると、その瞬間、パッと、それらが白銀の弓と矢に変わった。
「反撃開始なのー……てか!」
弓の弦が目一杯引かれるや否や、白銀の矢がセレビアに向けて放たれた。
「!!」
夜の雲を突き抜けて飛来する一筋の閃光。
それが何か認識できなかったが本能的に“危険”と判断したセレビアは、頭を引っ込めて間一髪回避した。
矢はセレビアのすぐ横を素通りしていく。
「なに……!?」
下に過ぎ去った矢と上のクヲンを交互に見やるセレビアの顔は焦燥感に満ちていた。
そんなセレビアこそ見えないが、狼狽している様子が伺えただけで、クヲンはどこか楽しそうだった。
「……やっぱ俺、Sかもしんない」
そんな独り言を呟きながら、また羽根をむしり取る。今度は一度に三枚だ。
それら全てを白銀の矢に変え、セレビアに狙いを定めて放つ。
「手加減なしっすね……」
それに気圧されてか、やや、スピードが落ちてセレビアの後方に位置してしまったクヲンだが、充分追いつける距離だ。
しかし、この機を逃すセレビアではない。
「ドキュン! ドキュン! ドキュン!」
雷魔法の連発。
その全てをクヲンは回避したが、その雷は、アスファルトや電線といった至るところへと飛び火していった。
晴れた日に轟く雷鳴。
地域住民がその不思議現象に首を捻るが、それは今の二人には関係のないことだった。
尽くセレビアの攻撃を回避していったクヲンたが、確実に距離は離れていっていた。
「ちょっ~と、マズイッスね、これ」
苦笑いをするも、すぐに何か策を閃いたのか、クヲンは、突如として加速した。
まさに特攻というべき行動だ。迎撃の雷や炎も避けずに向かっていっていると、瞬く間にセレビアの前へと躍り出た。
「何を!?」
「まださ!」
刹那のやり取り後、クヲンは更にスピードを上げ、上昇───天高く舞い上がった。
突発的なクヲンの動きに翻弄されて、箒で飛びながらもセレビアは思わず顔を上げてしまう。
辛うじてお互いが肉眼で確認できるくらいでセレビアの上をとったクヲンは、その距離を保ちながら飛行する。
そして、自らの翼から羽根を二枚むしりとると、その瞬間、パッと、それらが白銀の弓と矢に変わった。
「反撃開始なのー……てか!」
弓の弦が目一杯引かれるや否や、白銀の矢がセレビアに向けて放たれた。
「!!」
夜の雲を突き抜けて飛来する一筋の閃光。
それが何か認識できなかったが本能的に“危険”と判断したセレビアは、頭を引っ込めて間一髪回避した。
矢はセレビアのすぐ横を素通りしていく。
「なに……!?」
下に過ぎ去った矢と上のクヲンを交互に見やるセレビアの顔は焦燥感に満ちていた。
そんなセレビアこそ見えないが、狼狽している様子が伺えただけで、クヲンはどこか楽しそうだった。
「……やっぱ俺、Sかもしんない」
そんな独り言を呟きながら、また羽根をむしり取る。今度は一度に三枚だ。
それら全てを白銀の矢に変え、セレビアに狙いを定めて放つ。