青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「ま、まずくないか? これ!?」
黒服達の迫力に仙太が圧倒される。空兎も似たようなものだが、弱いところは見せまいと気丈さを目一杯張って、相手を睨みつけている。
そんな二人に、クヲンが余裕の口振りで告げる。
「いいか、しっかり掴まってな! 一気に飛んで、この場を切り抜けるぜ!」
クヲンの言葉に空兎は大きく頷くと、彼の腕に自分の腕をしっかり絡ませた。それを見た仙太は、クヲンに掴もうとした自分の手を止めてしまった。
「せっちん?」
空兎が仙太の動きに疑問を持ったその時、黒服達が示し合わせたかのように一斉に三人に向かって走り出した。
「ちっ!」
クヲンの背に天使の翼が勢いよく出現し、その拍子に幾つもの羽根が辺りに飛び散る。羽ばたき一つでクヲンは宙に舞い、飛び散った羽根は周辺の黒服達へのちょっとした牽制球となった。
だが、二人は同時に失態に気付く。
「待って!せっちんが!」
「くっ!?」
クヲンは、右手に掴んでいると思っていた仙太だったが、まだ彼は地面にいる。どうやら、お互いが掴み損ねていたようだ。
もう、クヲンの手では間に合わない。
「せっちん!」
クヲンの左側にいる空兎が強引に身を乗り出して、左手を伸ばす。仙太も精一杯、右手を伸ばした。
互いの手が、しっかりと、確かに握られる。
「ナイスだ!」
その手を確認したクヲンがもう一度、大きく翼を羽ばたかせ、高く飛翔。
風に乗って一気に舞い上がった。
「やったーーーっっっ!!」
空兎の歓喜の叫びが空に響き渡る。風に揺られているキィも「ウキュ♪ウキュ♪」と何やらはしゃいでいる様子。
「はぁ〜……」
空兎は仙太の手をしっかり握り締めながら、風を感じていた。梅雨の湿っぽい風はジメジメとするが、今はそれすらも清々しく感じる。
一瞬のハラハラの後でこうしてゆっくりと落ち着けれるのが、たまらなく気持ちいいのだ。
黒服達の迫力に仙太が圧倒される。空兎も似たようなものだが、弱いところは見せまいと気丈さを目一杯張って、相手を睨みつけている。
そんな二人に、クヲンが余裕の口振りで告げる。
「いいか、しっかり掴まってな! 一気に飛んで、この場を切り抜けるぜ!」
クヲンの言葉に空兎は大きく頷くと、彼の腕に自分の腕をしっかり絡ませた。それを見た仙太は、クヲンに掴もうとした自分の手を止めてしまった。
「せっちん?」
空兎が仙太の動きに疑問を持ったその時、黒服達が示し合わせたかのように一斉に三人に向かって走り出した。
「ちっ!」
クヲンの背に天使の翼が勢いよく出現し、その拍子に幾つもの羽根が辺りに飛び散る。羽ばたき一つでクヲンは宙に舞い、飛び散った羽根は周辺の黒服達へのちょっとした牽制球となった。
だが、二人は同時に失態に気付く。
「待って!せっちんが!」
「くっ!?」
クヲンは、右手に掴んでいると思っていた仙太だったが、まだ彼は地面にいる。どうやら、お互いが掴み損ねていたようだ。
もう、クヲンの手では間に合わない。
「せっちん!」
クヲンの左側にいる空兎が強引に身を乗り出して、左手を伸ばす。仙太も精一杯、右手を伸ばした。
互いの手が、しっかりと、確かに握られる。
「ナイスだ!」
その手を確認したクヲンがもう一度、大きく翼を羽ばたかせ、高く飛翔。
風に乗って一気に舞い上がった。
「やったーーーっっっ!!」
空兎の歓喜の叫びが空に響き渡る。風に揺られているキィも「ウキュ♪ウキュ♪」と何やらはしゃいでいる様子。
「はぁ〜……」
空兎は仙太の手をしっかり握り締めながら、風を感じていた。梅雨の湿っぽい風はジメジメとするが、今はそれすらも清々しく感じる。
一瞬のハラハラの後でこうしてゆっくりと落ち着けれるのが、たまらなく気持ちいいのだ。