青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
沸かしたての湯船に、空兎とマリィが並んで浸かっている。
少し窮屈だが、適度に温い湯が空兎には心地よかった。
(綺麗だな………)
横目でマリィのほどよく上気した白い肌を眺めながら空兎は思った。
空兎のそんな視線に気付いて、マリィが微笑み掛けると、空兎は慌てて目を逸らす。気まずそうに顔の半分を湯船に沈めた。
少しの間、お互い何も喋らずにいたが、会話の切り出したのは、やはりマリィだった。
「仙太さんから聞きました。空兎さん達のこれまでの冒険のお話」
「………だから?」
素っ気ない空兎の返しにも関わらず、マリィは別段、気を悪くした感じも見せず「それだけです」と微笑んだ。
それが空兎の自己嫌悪感をチクリと刺激した。
「…………」
ブクブクと口で風呂の湯を泡立てて誤魔化す。
吐く息が途切れると沈黙が息苦しくなり、今度は空兎が口を開いた。
「ねぇ、あなた……クヲンくんの知り合いなの?」
「はい、一緒に暮らしていました」
「い、いいいい、一緒に暮らしてたぁあぁあああっっっ!!?」
空兎の絶叫が風呂場を反響し、それを至近距離で受けたマリィが頭をクラクラさせた。さらには台所にいる仙太もその影響を受けて、皿を一枚犠牲にした。
「あ、でも、それは本当に少しの間だけで……私、クヲンさんと出会って、その後、怪我して入院しちゃったんです。退院した後には、クヲンさんは、もうあの組織に身を置いていて、滅多に帰ってこないんです」
どこか寂しげに語るマリィの横顔を見て、空兎は思った。
(……なんか、帰ってこない夫を心配するみたいな妻の顔だよね)
さしずめ自分は愛人だろうか。
しかも、散々利用されて捨てられた惨めな愛人。
また少し、泣きそうになった。
「空兎さん、どうかしました?」
「………なんでもない」
マリィに振り向かれ、空兎は慌てて顔を逸らした。
そして、その状態のままで、空兎がまた質問する。
少し窮屈だが、適度に温い湯が空兎には心地よかった。
(綺麗だな………)
横目でマリィのほどよく上気した白い肌を眺めながら空兎は思った。
空兎のそんな視線に気付いて、マリィが微笑み掛けると、空兎は慌てて目を逸らす。気まずそうに顔の半分を湯船に沈めた。
少しの間、お互い何も喋らずにいたが、会話の切り出したのは、やはりマリィだった。
「仙太さんから聞きました。空兎さん達のこれまでの冒険のお話」
「………だから?」
素っ気ない空兎の返しにも関わらず、マリィは別段、気を悪くした感じも見せず「それだけです」と微笑んだ。
それが空兎の自己嫌悪感をチクリと刺激した。
「…………」
ブクブクと口で風呂の湯を泡立てて誤魔化す。
吐く息が途切れると沈黙が息苦しくなり、今度は空兎が口を開いた。
「ねぇ、あなた……クヲンくんの知り合いなの?」
「はい、一緒に暮らしていました」
「い、いいいい、一緒に暮らしてたぁあぁあああっっっ!!?」
空兎の絶叫が風呂場を反響し、それを至近距離で受けたマリィが頭をクラクラさせた。さらには台所にいる仙太もその影響を受けて、皿を一枚犠牲にした。
「あ、でも、それは本当に少しの間だけで……私、クヲンさんと出会って、その後、怪我して入院しちゃったんです。退院した後には、クヲンさんは、もうあの組織に身を置いていて、滅多に帰ってこないんです」
どこか寂しげに語るマリィの横顔を見て、空兎は思った。
(……なんか、帰ってこない夫を心配するみたいな妻の顔だよね)
さしずめ自分は愛人だろうか。
しかも、散々利用されて捨てられた惨めな愛人。
また少し、泣きそうになった。
「空兎さん、どうかしました?」
「………なんでもない」
マリィに振り向かれ、空兎は慌てて顔を逸らした。
そして、その状態のままで、空兎がまた質問する。