青空、ハレの日☆奇跡の条件（加筆修正中）
　ここへ来る前にこの勝負の話を空兎から聞かされていた空兎の愉快な冒険隊のメンバー達は、戸惑い、そして驚いた。

　相手がクヲン一人ならまだしも、絶対それはあり得ないと思っており、明らかに不利な条件では初めから勝負にならないと確信したからだ。特にセレビアがケチをつけた。

　だが、元より相手がこの勝負に乗ってくるかも分からなかったこともあり、乗ってこなかった場合のことも想定してこのような不利な条件にあえて空兎はしたのだ。

　それを話すとセレビアは渋々納得した。

　最後の「大丈夫！ 絶対なんとかなるって！」というなんとも頼もしくも、危うい言葉で強引に片付けられてしまわれたが、その時の空兎の表情は確かに自信に満ち溢れていた。

　その表情が最終的に全員の決め手になったのかもしれない。


　そして、この勝負にあの組織が乗ってきた。


　普通なら『鬼ごっこ』なんて、ふざけるな、と一蹴されそうだが、実質は戦い、戦争である。

　セレビアと空兎との間でやったようなものではない、一切手加減なしの抗争。

　組織側は三人しか姿を見せていないが、実際は森の中に多人数潜んでいるのは明らか、対して空兎側は五人。

　だが、それは初めから覚悟の上。その上で、空兎達はこの勝負を勝とうとしていた。


　勝負開始までの五分間の作戦タイム。


　クヲン達は森の奥へ引っ込んでいるうちに空兎たちも準備を進めていた。

「そんじゃ、皆、がんばろー！」

「って、空兎、何か作戦はあるのかい？」

　呑気に構える空兎に、仙太が困惑すると、彼女は首を堂々と横に振った。

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