青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「あるわけないじゃん! ノープラン! アタシはとにかくパーッと逃げるだけ♪」

「あのなぁ、そんな簡単にいくわけないだろう!」

「やってみなきゃわかんないじゃん。大丈夫、足にはちょ~っと自信あるし」

「いや、知ってるけどさ。空兎が足早いの。……だからって!」

 仙太が何かを言おうとする前に、その肩にジョーの手が乗る。

「まぁまぁ、落ち着いてください仙太くん」

「落ち着けませんよ!!」

「あはは、最近、声大きいですね……元気があっていいことですよ」

「あ、あのですね……」

 どうにも話が噛み合わないジョーとの会話に仙太の調子が狂う。そこへセレビアが割って入った。

「心配なら、せっちゃんが空兎を守ってあげたら?」

「え?」

「あ、それは良い考えですね」

 ジョーもセレビアに賛同した。これに戸惑っているのは当の仙太だ。

「ぼ、僕が!? でも、僕は―――」

 何もできません、そう言おうととしたその口が突然、マリィの唇によって塞がれる。これに仰天したのは空兎だ。

「ちょっ! なにやってんのよっ! マリィ!!」

「いえ、仙太さんが何かいけないことを言おうとしていたので、つい……」

「ついいけないことしたのはアンタでしょうが! マリィがキスしちゃったら、せっちんが不幸なるじゃんかぁ!」

 空兎のその言葉に、突然のことで呆然としていた仙太の表情が豹変する。

「えっ、ええぇぇぇぇっ!?!?」

「へぇ、それが悪魔ちゃんが人を不幸にする方法なんだぁ。なかなかロマンティックね♪」

 セレビアが他人事にように微笑む。その隣にいるジョーなどは、

「仙太くん、モテますねぇ」

 と、まるで状況が分かってないように微笑んでいた。

< 356 / 500 >

この作品をシェア

pagetop