青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「び、びっくりしたぁ〜」
本当は腰が砕けそうなくらい驚いた空兎だが、おどけた口調で耐えて空を見上げる。白い翼を生やしたクヲンがそこに浮かんでいた。
「空兎、降参してくれないか? どう考えても―――」
「イヤ♪」
クヲンの提案をキッパリと切り捨てて、再び走り出そうとする空兎。そんな足元にクヲンはもう一矢、打ち込んだ。
「俺、お前のために言ってんだけどよ……」
「だったら邪魔するな〜!」
真剣な口調で話すクヲンだが、空兎には通じていない様子。おつむがプンプンと噴火しているように怒っているが、その様子がどこか真面目さに欠けている。目が笑っているのだ。
(空兎、危機感って言葉知ってる?)
滝のような涙を流したい気分になった仙太だった。
そんな仙太の不安をさらに煽るかのように、クヲンの口元に笑みが浮かぶ。
「じゃ……仕方ないな……」
クヲンの手から弓がパァと消えて羽根に戻る。それはヒラヒラと風に揺れながらゆっくりと、地面に落ちていった。
「俺の本気で、一気に終わらせる……か」
小さく、空兎たちには聞こえないくらいの声で呟くとクヲンの翼が白から黒へと変色する。そして、羽根を一枚むしりとる。
次の瞬間、白銀の弓矢とは全く違う物へと変わった。
漆黒の長柄に、クヲンの半身ほどの大きさを誇る銀色の禍々しい刃は見るものを本能的に畏怖させ、圧倒させる。
そう、それは、まるで―――
魂を狩る死神のような大鎌だった。
かつて、セレビアとの勝負で決め手となり、またある時は、ジョーの脱獄の手助けをした白銀の刃が今、空兎へと襲い掛かった。
本当は腰が砕けそうなくらい驚いた空兎だが、おどけた口調で耐えて空を見上げる。白い翼を生やしたクヲンがそこに浮かんでいた。
「空兎、降参してくれないか? どう考えても―――」
「イヤ♪」
クヲンの提案をキッパリと切り捨てて、再び走り出そうとする空兎。そんな足元にクヲンはもう一矢、打ち込んだ。
「俺、お前のために言ってんだけどよ……」
「だったら邪魔するな〜!」
真剣な口調で話すクヲンだが、空兎には通じていない様子。おつむがプンプンと噴火しているように怒っているが、その様子がどこか真面目さに欠けている。目が笑っているのだ。
(空兎、危機感って言葉知ってる?)
滝のような涙を流したい気分になった仙太だった。
そんな仙太の不安をさらに煽るかのように、クヲンの口元に笑みが浮かぶ。
「じゃ……仕方ないな……」
クヲンの手から弓がパァと消えて羽根に戻る。それはヒラヒラと風に揺れながらゆっくりと、地面に落ちていった。
「俺の本気で、一気に終わらせる……か」
小さく、空兎たちには聞こえないくらいの声で呟くとクヲンの翼が白から黒へと変色する。そして、羽根を一枚むしりとる。
次の瞬間、白銀の弓矢とは全く違う物へと変わった。
漆黒の長柄に、クヲンの半身ほどの大きさを誇る銀色の禍々しい刃は見るものを本能的に畏怖させ、圧倒させる。
そう、それは、まるで―――
魂を狩る死神のような大鎌だった。
かつて、セレビアとの勝負で決め手となり、またある時は、ジョーの脱獄の手助けをした白銀の刃が今、空兎へと襲い掛かった。