青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
走り去っていく二人の足音が、クヲンの耳に重く響く。すぐにでも追いかけたい衝動に駆られたが、目の前のマリィの行動が読めず、迂闊に背中を見せることができない。
微笑を浮かべながら、武器を手にした悪魔は、細腕でありながら平然と大鎌を受け止めて微動だにしていない。
クヲン自身、さほど力を込めているわけでもないが、少なくとも大鎌の重量を受け止めるだけのパワーはあるということだ。
「見かけによらねぇな、お前は」
「お互い様です」
「嫌味かよっ!」
瞬間、クヲンが大鎌に体重を乗せ、斬撃の力を増幅させる。それに耐え切れなくなったマリィは体勢を崩してしまうが、すぐに背中の黒い翼を羽ばたかせてクヲンの追撃を逃れる。
お陰で一撃目の直後に放ったクヲンの横薙ぎは空を切ることになった。
「結構……やるじゃん!」
すぐにクヲンも同じ黒い翼を羽ばたかせて、滞空しているマリィを追う。持ち前のスピードを活かしてすぐにマリィの上をとり、大鎌を大きく振りかぶる。
「ちゃんと防御しろよ!」
直後、凶悪な大鎌がマリィの頭上に振り下ろされた―――かと思えば、
「イヤです♪」
それよりも早く、マリィが槍でクヲンの腹を殴った。矛先ではなく、その腹の部分だが、強烈なのには変わりない。
クヲンは大きく体をくの字に曲げ、苦痛に顔を歪めた。当たり所が悪かったのだろう、顔が青くなり、呼吸がままならなくなる。
「あ、ごめんなさい。つい、力が入りすぎちゃいましたね。でもまぁ、おしおきってことで」
「なんのだよ……」
辛うじて返すクヲン。その表情は完全に苦笑いだった。
体勢を立て直す意味でも、クヲンは一度マリィから距離を置いて、乱れた呼吸を整える。
マリィはそれをじっと見つめながら待っていた。
微笑を浮かべながら、武器を手にした悪魔は、細腕でありながら平然と大鎌を受け止めて微動だにしていない。
クヲン自身、さほど力を込めているわけでもないが、少なくとも大鎌の重量を受け止めるだけのパワーはあるということだ。
「見かけによらねぇな、お前は」
「お互い様です」
「嫌味かよっ!」
瞬間、クヲンが大鎌に体重を乗せ、斬撃の力を増幅させる。それに耐え切れなくなったマリィは体勢を崩してしまうが、すぐに背中の黒い翼を羽ばたかせてクヲンの追撃を逃れる。
お陰で一撃目の直後に放ったクヲンの横薙ぎは空を切ることになった。
「結構……やるじゃん!」
すぐにクヲンも同じ黒い翼を羽ばたかせて、滞空しているマリィを追う。持ち前のスピードを活かしてすぐにマリィの上をとり、大鎌を大きく振りかぶる。
「ちゃんと防御しろよ!」
直後、凶悪な大鎌がマリィの頭上に振り下ろされた―――かと思えば、
「イヤです♪」
それよりも早く、マリィが槍でクヲンの腹を殴った。矛先ではなく、その腹の部分だが、強烈なのには変わりない。
クヲンは大きく体をくの字に曲げ、苦痛に顔を歪めた。当たり所が悪かったのだろう、顔が青くなり、呼吸がままならなくなる。
「あ、ごめんなさい。つい、力が入りすぎちゃいましたね。でもまぁ、おしおきってことで」
「なんのだよ……」
辛うじて返すクヲン。その表情は完全に苦笑いだった。
体勢を立て直す意味でも、クヲンは一度マリィから距離を置いて、乱れた呼吸を整える。
マリィはそれをじっと見つめながら待っていた。